かすれた*Pluser*の巻物


DTM on Linux

最近(去年?)、MIDIデバイスを買いました。KORG社の NanoKey Studio です。 MIDIキーボードとコントローラ(つまみとかスライダとかボタンとか)がセットになっている製品。一万円くらいです。USBとBluetoothで接続できるのですが、残念ながらではLinuxドライバが無く、USB接続しかできません。ついでに簡単な楽曲制作の指南書も買いましたが、これはちょっと内容が簡単すぎて失敗だったかも。

MIDIキーボードだけでは音は出ません。音源が必要ですし、そもそも楽曲制作が目的なのでDAWが必要です。……DAW探しの旅に出ました。Linuxでネイティブ対応しているものはいくつかありますが、イチオシが Reaper です。$60しますが、高機能で商用にも十分使えるクオリティ、MIDIデバイス対応もバッチリで、スクリプトによる拡張性も十分にあります。すばらしい。無料で試用できるのでぜひ。

さて、問題は音源です。通常、VSTプラグインなどとして提供されるものをDAWに組み込んで使いますが、こうしたプラグイン、なぜかOS依存するのです… Windows対応のものは多く、Macもだいたいは対応されていますが、Linuxに対応しているものは(特に商用のものは)極稀です。そのため、Wineなどを使ってWindows用のものをむりやり動かす例も多いです。しかし、ただでさえ不安定なプラグインはさらに不安定になります。 なので、できればLinuxネイティブなものを揃えたいと思い、探し回ってみつけたものを紹介します。

一つめは Tracktion の Collective です。$60。サンプラー+シンセサイザーで、悪くない音がします。オーケストラ系の楽器は少なめですが、まあ最初にそろえるものとして悪くない気がします。 一番の問題は、音源ファイルの場所が決め打ちなこと。 ~${HOME}/Tracktion/Collective~ か /usr/local/share/Tracktion/Collective に置く必要があります。ユーザーの机のド真ん中に居座るんですね… あと、問答無用で勝手に ${HOME} に隠しではないディレクトリを作ります。どういう神経?

二つめは DecentSampler + Pianobook です。サンプリング音源は Kontakt などの有料プラグイン用のファイルとして配布されていることも多かったのですが、DecentSamplerは無料のプラグインで、Pianobookでは高品質なサンプリング音源が無料で多数配布されています。飛び道具的な変わった音源も多いですが、オーケストラなどのシンプルなものもあります。 ちなみに、DecentSamplerは音源のファイルパスを指定できます。

ここ最近いろいろ音楽関係のソフトウェアを見たりしていたんですが、Linux用に限らずどうしてこんなに品質が低いんでしょうね… インストールできない、起動できない、ユーザーの環境を破壊する、などは日常茶飯事。なのにライセンスとしてハードウェアドングルを要求したり、更にはドングルを別途買わせたり… 自社製品だけをインストールした専用PCを用意しろとでも言うのでしょうか?

正直音楽業界とは付き合いたくないな、と思いました。